食用きのこ情報
日本癌学会報告

2002年10月1日〜3日に行われました日本癌学会において、本研究会の常任理事である池川哲郎先生が発表されました内容を簡単に要約し報告します。

演題番号:3432
タイトル:エノキタケ由来EA6 の抗癌活性と免疫賦活性
Antitumor activity and immunopotentiation of EA6 isolated from Flamulina veltipes
発表者:池川哲郎1、丸山博文1、茶山和敏2、吉田光二3
1:日本統合医学研究会 2:静岡大学 農学部 3:国立がんセンター 研究部 薬効試験

エノキタケから抽出した低分子多糖体EA6を経口投与して、実験用の腫瘍に対する効果と外科手術との併用でどのような効果が認められるか、またその免疫賦活のメカニズムを解明することを目的としました。
実験用の腫瘍としてルイス肺癌、B-16メラノーマを用いました。外科手術との併用効果は、MethA線維腫という腫瘍を雌のマウスの腹部皮下に移植して、7日後に外科手術で固形癌を取り除きました。更に7日後反対側の腹部の皮膚の下に同じ癌を再移植しました。手術前、手術後、手術前後にEA6 を10mg/kg経口投与して、移植した癌の増殖を観察しました。IL-2という免疫力の指標の産生能を測って、正常マウスの産生能を100としたときの処置群の産生能を算出しました。
その結果、EA6はルイス肺癌に100mg/kgを経口投与することで39%、B-16メラノーマに50mg/kgで26%の癌の抑制効果を示しました。外科手術併用実験では、術後投与により、再移植の増殖を顕著に抑制し強い補完治療効果を示しまた。その作用機序を担癌マウス(癌を植えつけたマウス)で解析すると、EA6は化学療法剤や外科手術で低下した免疫能を高めることがわかりました。また、手術後の免疫力に指標であるIL-2産生は、手術だけの場合だと87に減少しますが、EA6を併用すると178と顕著に上昇することも分かりました。EEM(Extracts of Edible Mushrooms)について、雌のマウスに経口投与してザルコーマ180(固形癌)に対する抗癌活性をPSK(医薬品として認められている抗がん剤=クレスチン:三共)と比較したところ、EEM500mg/kg群で腫瘍重量が有意に減少しました。
この研究成果から以下のことが言えると思います。

1. EA6 は外科手術と併用して、経口投与によって再移植癌の増殖を有意に抑制しました。
2. EA6の外科手術との併用効果は、術後投与が術前投与よりも有意に癌の増殖を抑制しました。
3. EA6は経口投与したときに、免疫機能を賦活し、特に手術によって低下した免疫機能を亢進しました。
4. EEMは、経口投与によってPSKより優れた抗癌活性を示しました。
5. EA6およびEEMは、臨床応用して有用性が得られる可能性が示唆されました。